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<赤い線>

赤い線

 これは、リキシャーワーラー(人力車夫)の写真である。

 

 オレンジの縦線は、インドでフイルム現像した愚か者に対する罰なのです。

 私は、フイルム派だ。旅行の写真はフイルムがいい。やはり、デジタルより質感が良いと感じる。しかし、困ったことに、場所はインドなのだ。フイルム現像に期待は出来ないが、猛暑の中でフイルムは日々劣化していく。早く現像しなければと焦る中、カルカッタに一件だけプロ向けの現像所があるとの情報を入手した。情報は日本を代表する大手フイルムメーカーから頂いたものだが、保証はしないとのこと。

 早速、その店を訪ねると、表には、日本でおなじみのK社プロラボの看板があり安心する。中の店員に確認してみる。

「ブローニーのフィルムは現像したことがあるか?」

「ある。まかせておけ」

「本当か?」

「本当だ。間違いない。」

 皆さんも、インドに行った時には注意してください。インド人の自信ほど、根拠の無いものは、ないのです。

 指定の日に、現像所でフイルムを受け取り、中を確認してみると、三本のフイルムに不可解な線が入っていた。

「なんだこれは、フイルム現像のミスじゃないか。」

「いや、ミスではない」

「嘘つけ。これは現像時のミスだぞ」

「いや、私のミスではない。フイルムを機械に装着する時に、ハマっていなかっただけだ」

「だから、それはおまえのミスだろうが」

「いや、機械がいけないのだ。私のミスではない」

 その時には、私は怒りに任せたまま、手に持ったフイルムを床に叩きつけていた。そして、怒り叫んでいた。

「お前はプロじゃない!アマチュアめ!」

 

 皆さん、インドでは現像しないようにしましょう。インド人は悪くないのですが、機械が悪いようです。機会がインド人の手元を狂わせるのです。やはり、機会ならインド人をちゃんとサポートしてあげないといけないですね。

 バカヤロー!

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